旧型Wacom One と 新型ペンを試した

2023年発売の新型Wacom oneに対応した新型ペンを入手したので、旧型ペンとの比較レビューをしてみたいと思う。

Wacom oneについて

Wacom one(DTC133W)(以下、旧Wacom one)は、ワコム社が販売する、タブレット製品の中で低価格で提供される液晶タブレットで、2020年 1月16日 に発売された当時の定価は\42,900で、これまでのワコム社製品の価格を考えると、かなり衝撃を受けた。現在はAmazonなどのキャンペーンでクーポンを使うと\30,000ほどで購入できたりすることもあるので、まだ液晶タブレットを持っていない方は手にしてみるのも良いかもしれない。

2023年8月には、新型Wacom oneが2機種(DTC121WとDTH134W)(以下、新Wacom one)が発売となり、ケーブルがUSB type-C一本のみでも接続できるように対応したり、上位モデル13インチモデルではタッチ操作にも対応するなど、大きく進化した。

しかし、昨今の円安ご時世により、旧モデルと比較すると値段も進化してしまったのは厳しい世の中になったと思う。
(どうせ高くなるなら色々あると思うけど国内生産に戻しても良いんじゃないですかね……intuos2くらいまではmaid in japanだったような記憶。)

旧Wacom oneの欠点

低価格とはいえ、非常によくできている製品で、サイズも手ごろなため、まずは液晶タブレットを使ってみたいという方には、かなりお勧めしたい商品と言える。

しかし、そんな旧Wacom oneに個人的に物申したい欠点があった。

純正ペンの筆圧感知の悪さ

旧Wacom oneに付属する純正ペンは、フェザータッチと言われる、筆圧が弱い時の感度が極めて悪い。そのため、ペンが妙に硬く感じてしまい、筆圧を強めに描かないといけなく、疲れやすいと感じるところがあった。

しかし、Wacom oneに対応するペンはサードパーティー製のペンも豊富に用意され、ペンによっても書き味が変わるため、別のペンを試して自分に合ったものを選択することで多少は改善されることでもある。

とはいえ、純正ペンが描きにくいと感じさせてしまうのは、もったいないと感じてしまう。

サイドスイッチが一つ

これについては賛否両論あるような気もするが、液晶タブレットのサイドスイッチは2つあるべきだと思う。

また、旧Wacom oneのサイドスイッチの位置の問題。
作画時の誤操作を防ぐためと思われるのだけど、サイドスイッチに消しゴムを設定している私の使い方と合わない。

サイドスイッチを使おうとすると、親指の位置が不自然になるため、消しゴムをサイドスイッチで使うのが疲れるようになってしまった。

これらのことから、Wacom oneでラフを描いたりするような作業には向かないと感じてしまったのである。ちなみに誤解をしないでもらいたいのは、私の使い方的な問題ではということである。

新型Wacom oneのペンについて

さて、新型のほうの話に移ろうと思うけど、なぜ新型のペンだけを買ったのか。
それは、新型ペンが旧Wacom oneにも対応し、サイドスイッチが2ボタンになったからである。

また、新型ペンは別売の組み合わせでカラーバリエーションを楽しめることもあり、その組み合わせを試してみたかった。

今回購入した組み合わせは、下記の通り。

・Wacom One ペンフロントユニット グレー ACK44929GZ
・Wacom One ペンリアケース イエロー(ラベンダークリップ付き) ACK44930YZ

フロントユニットがグレーなのは、ずっと使ってると汚れていくので、目立たせたくないところ。
リアケースは、クリップがついてるのが欲しかったのと、黄色がかわいいと思ったから。

組み合わせてみて満足。
クリップがあることで机において転がっていくこともないので、気づいたらどこか行っているのを防げるの最強。素晴らしいです。

フロントユニットにはペン先の変えが10本セットになっているため、十分な数がおまけについてくる。
それにしてもリアペンケースの梱包はもっと簡易梱包でいいような気もする。

淡い期待をしつつも…

さて今回、最も期待をしていたこととして、サイドスイッチの2ボタンされたことで、旧Wacom oneでも使えるのか…といったところなんだけど、結論から言えば対応してませんでした。

旧Wacom one 設定画面
Cintiq22 設定画面

上画像を見ていただければわかるかもしれませんが、旧Wacom oneペンの設定の設定のところにボタンが一つしかありません。また、Cintiq側では上部に入力デバイス設定項目があるのですが、旧Wacom one側ではその項目がなく、アプリケーションのみとなります。

ということは、旧Wacom oneではペンの種類を判別をしていない様子。
これでは新型ペンに変更してもサイドスイッチの項目が増えることはない。

とはいえ、旧Wacom one側でもサイドスイッチが2つ反応することはもともと話題になっていたことでもあり、今後のドライバー対応に淡い期待をしてみたいところ。

それでも買ってよかった新規ペン

サイドスイッチは残念だったものの、ペン字体は悪くないと思ってます。

一つはサイドスイッチのボタンの位置が、二つになったことで、親指の位置が自然な位置でボタンを押すことができるようになったこと。

これは私の用途としては非常に大きいメリットでした。上でも触れていましたが、旧純正ペンは位置が悪く、使っていて使いにくいと感じていたので、二つ使えなくても十分うれしい変更点です。

次に、描き心地です。

旧純正ペンは筆圧の階調は4096段階と、新型ペンと何も変わらないのですが、内部の調整が違うのか、描き心地は全く別物でした。

新旧ペンの筆圧感知の比較

上の画像を見て比較していただければと思うのですが、上のほうが筆圧強めで、徐々に筆圧を弱めていっています。

下のほうはほぼ筆圧かけずに、ペンの自重で描くような感じで描いてみています。

旧型純正ペンのほうは自重で描こうと思うとほぼ線が出ません。これは正しいのかもしれませんが、ほんのちょっと筆圧をかけた状態の線も擦れてしまうほど。

これでは、ラフで薄い線を描こうと思った時に全然線が描かれず、ラフを描こうとしているのにも関わらずそれなりに筆圧を加えないといけなく、想った以上に疲労がたまります。

そのため、長時間の作業をするには向いていないと感じていました。

しかし、今回購入した新純正ペンは、筆圧をそこまで加えずにも十分描写されるため、かなりありがたい変更点でした。

たとえるなら、新純正ペンは鉛筆のような感じで、旧純正ペンは丸ペンやGペンといったつけペンのような硬さがあるような感じです。

ですので、意外とペン入れなどでは旧純正ペンのほうが良いと思う方もいるかもしれません。
個人的にも使い分けてもよさそうと思いました。

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