ネーム(話作り)について

漫画の話作りで大事なネームですが、なかなか難しいものです。
話作り、キャラ、会話、展開、コマ割り、絵などすべてを一人で考え、一人で作っていかないといけないわけなので大変なのも当然です。
昔ある方から漫画は、一人で映画を作るようなものだと話をされました。
その通りだと思います。

いろいろと一人で考えないといけないため、何かの要素で躓いたりするわけです。
そこで、私自身があることに捕らわれてしまって躓いてしまったことを共有できればと記事にしてみました。

起承転結に捕らわれない

日本の国語を学んできた方は、物事を説明する時には起承転結で考えると教わります。
しかし、この起承転結という概念が物語を作っていく上で足かせになることが多いのです。

ちなみに、エンターテイメント性をもつ物語を作っていく上で考えられる構成は、海外では『三幕構成』といった概念で作られています。
日本においても、三幕構成と同じような構成として『序破急』といったものがありますが、あんまり一般的ではないですね。

なんで書きづらい?

まず起承転結というものが何なのか。
物語の展開に置き換えるとこんな感じでしょうか?

  • 起:物事の始まり
  • 承:物語が展開していく
  • 転:事件が起きる
  • 結:事件が解決していく

ぱっと書いてみると、うまく展開を分けて構成できているように見ます。
そして、これを活用して構成されている作品が4コマ漫画だと思います。

しかし、読切みたいな32ページ作品で話を作ろうとすると、この4つの構成にとらわれすぎることによって展開させずらく感じるのです。物語を作っていく上で、失敗してしまうのは、この型に落とし込まないとダメだ見たいな考え方をしてしまうこと。

そして、この構成で作ろうとすると、どうしても話が起伏無く展開するような内容になりがちなのです。なぜなら、国語で学ぶ、感想文や報告書といった文などを書きやすくするような概念だからです。

最も大事なのは、どんな展開で話が進むと面白いかを考えるべきなのです。

三幕構成で考える

起承転結では、4パートに分かれていたものを、設定・対立・解決といった3パートで考えられるのが三幕構成です。

では、その3パートはどういった内容なのか、ざっくりと考えると以下の通りです。

  • 設定(導入):状況説明、いつどこだれがといった内容がここにあたります。
  • 対立(展開):導入で上げられた目的に対して、課題を与えられます。
  • 解決(達成):与えられた課題、目的を達成できたことで終演となります。

設定対立解決となると、主人公に対して敵がいるといった構図に見えてしまうので、()で少しだけ見え方を変えてみました。

この三幕構成とは、この三つのパートの中で起伏を付けて盛り上がりを意識して作るような概念です。

物語の展開について

話を作るうえで、盛り上がりの起伏は大事です。

ただただ、淡々と進むような作品もありますが、一般的には受け入れられません。
非常に高い作画技術をもった作品や、しっかりとしたテーマ性があるものは、それに当てはまらない場合もあります。
しかし、多くの作品は物語の展開に起伏があるものです。

物語の起伏を考えた場合、多くの作品が次のような展開に当てはまります。

導入から徐々に話を広め、目的に向かっていこうとして盛り上がっていきます。
しかし、その目的を達成するための障害になる物が現れ、一気に流れが落ち込んでしまいます。
そこで屈することなく立ち上がり、障害を乗り越えていく再び盛り上がっていく。

それがどんな設定の作品であってもです。

少年漫画が一番わかりやすいものですが、少女漫画、料理漫画、青年漫画においてもあてはまります。
いずれの作品においても物語の起伏を意識することが大事なのです。

そこに気付くのが遅く、起承転結に捕らわれてしまったので、自分は物語を作ることに苦手意識を持ってしまいました。

各テーマによる導入と展開と達成について

さて、では実際にどんな導入・展開・達成状況があるか考えてみます。
これは、だいたい大まかな型にはめることが出来てしまい、逆に言えばこれから外れようと思うと、失敗してしまう可能性もあるのです。

ここで個人的に大事だとおもうものが、解決する手段。
ストーリー展開としては変わり映えが無くても、その解決策で心をつかむことが出来れば印象が良く終われるわけです。
また、ストーリー展開においても終わりに変化があれば、展開は似ていても違う話になるわけです。

それが主人公の特殊な力であったり、工夫であったり、思考の変化など様々な要素で考えることが出来ます。
当然以下のにあるような導入とは違った話の入り方をするものもあります。

あくまで参考程度に見てください。

少年漫画

冒険もの

  • 導入:主人公がある目標に向かって冒険を進めようと思います。
  • 展開:その目標の障害となる敵が現れます。
  • 展開:その敵を何かの力で取り払い解決します。

料理漫画

  • 導入:主人公がある目標を掲げ料理をします。
  • 展開:主人公の作る料理にいちゃもんをつける人が登場。お客様やライバルなど。料理バトルとして対決。
  • 展開:料理の創意工夫で満足させる。新たな食材を探す、新たな調理方法など。

スポーツもの

  • 導入:何かのきっかけからスポーツに関わります。
  • 展開:ライバルが現れたり、何かしらの障害によって負かされます。
  • 展開:主人公の才能・努力が開花し、面白さを見出しスポーツにはまっていきます。
少女漫画

恋愛もの

  • 導入:恋愛対象との出会い。
  • 展開:興味が無いような態度を取られ勘違い
  • 展開:主人公の行動によって恋愛対象が主人公とちょっといい関係になる。
青年漫画

社会物

  • 導入:務めている会社の紹介など。
  • 展開:業績が落ちるような事件トラブルが発生。
  • 展開:主人公の機転により解決。
成人漫画

こればかりは、正直わからないです。

絵が大事な人もいると思いますし、台詞に魅力を感じる人もいると思います。
エロければいいというものなので、自分の欲求に素直になってそれを描くのが大事なんじゃな気がします。

大事なこと

さて、ここまで三幕構成といった大まかな話の流れについて考察してきました。

しかし、漫画作品において最も大事になるのはキャラクターの魅力です。キャラクターがどんな思考回路をしているか、軸がずれない主人公を作り上げることが、大事になります。

話作りで悩む理由はだいたいキャラクターの思考回路が作れていないことによって展開にぶれが生じるからです。

それさえしっかりしていれば、どんな状況に置かれても主人公ならこうやって解決するはずという道が見えてくるものです。

まずは主人公の思考回路(設定)を作ってあげましょう。

結論

漫画の話作りについて、個人的分析してきた事をまとめてみました。誰かの参考になってもらえたらと。

しかし、漫画を描く上で最も大事なのは、話の内容的によくある話だと思って設定を練り直したりして手を止めないことが大事です。

自分も業界から身を引いていますが、漫画の分析などを続けて、趣味でも描き続けていきたいと思います。

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