クリスタ パース定規の使い方 基礎編2 箱を描いてみる

パース定規を使う上で大事なこと

パース定規は、万能ではありません。
パース定規に頼りすぎると、固く、違和感のある絵が出来上がってしまうこともあります。

それは、いくつかの理由があります。
特に多いのは以下の3点ではないでしょうか。

  • 透視図法を誤って認識している、よくわかっていない
  • 形や構造を理解していない
  • アタリやラフなどを描く段階からパース定規を使ってしまっている

この3つのうち、透視図法をよくわかっていないといった方は、正直パース定規を使う前の話なので、ここではあえて触れないようにします。

また、形や構造を理解していないというのは、単純に描こうとしている対象をよく見ていないといったところなので、観察を怠らないようにすることですね。

ここで紹介する、パース定規を使う上で最も大事なことは、ラフ・アタリを描いて、自分の描きたいパース感のイメージを固めたうえでパース定規を使うことです。

ラフ・アタリを描く

そこで今回は、簡単な箱を描きながら、パース定規の使い方・考え方を紹介してみます。

まず単純な箱を描くにしても、どのような箱を描きたいかか決める必要があります。

それが、ラフ描いてイメージを作る作業です。

それをせずに箱を描くと次のような極端な形や、角がちゃんと作られていない、いびつな絵を描いてしまいます。
それによって自分のイメージとはずれた絵が出来上がり、違和感や気持ち悪さを感じてしまう絵を作ってしまうことになります。

極端なパースがかかった形になってしまう
パース定規を適当に使うと角がずれてしまう

それを防ぐためにも、ラフやアタリを描いて、イメージを作ってあげましょう。

箱のラフを描いてみた

今回はこの箱に合わせるようにパース定規を作成していきます。

パース定規の合わせ方

ラフを描いたら、その中から自分が大事にしたい線を優先、活かしながらパース定規を合わせていきます。
それによって理想とする立体感・構図で描いていくことができるようになります。

ラフができたらパース定規を作成しますが、作成方法は過去の記事を参考にしてください。

パース定規を合わせていくうえで、最も大事になことは描きたいイメージに合わせたアイレベルを見つけてあげることです。

そのためには、描きたいイメージに合わせた消失点を使うことでアイレベルを導き出すことができます。

今回は、二点透視の形の箱を描くため、二つの消失点が存在しますが、アイレベルを導き出すためには片方の消失点を使うことでアイレベルを導き出すことができます。

どっちの消失点を使うか迷うかもしれませんが、描いた形を比較した時に奥行きの角度がきつくなるほうを優先してあげるとパース定規を合わせやすくなります。

ですので、このラフの場合は左側のほうを使っていきます。

ガイド線の白丸を左の消失点に向かう線の上に合わせます

左側の消失点から出ている二つのガイド線上にある白丸を描きたい線の上に合わせます。

白丸の横にある青丸を使って、描きたい線に合わせるようにずらし、消失点を移動させます。

次の白丸の横にある青丸を操作し、ガイド線を描きたい形に合わせるように消失点を移動します。

ただし、アイレベルが合っていないので、もう片方のガイド線は合うことはありません。

ここで確認するべきなのは、もう片方のガイド線が描きたい線と、どのようにずれているかです。

アイレベルが低いのがわかったら、アイレベルを上にずらし、もう一度消失点をずらします。

消失点をずらした際に、もう片方のガイド線が合っていなければ、正しいアイレベルにはなっていません。

再びアイレベルを調整します。

これを何度か繰り返し、二つのガイド線が合うアイレベルを見つけましょう。

アイレベルを合わせていく過程は最後に紹介する動画を参考にしてみてください。

アイレベルを導き出すことができたら、残りのもう片方の消失点を合わせればパース定規の設置は完了です。

下描きをする

パース定規を作ったら、ラフをもう一段階整えてみましょう。

ペンツールを使ってしまえば下描きがペン入れをしていることにもなりますが、もう少しだけ形を整えたほうが線は入れやすくなります。

この時に大事にしたいのは、角の線です。
角がつながっていなければ箱にはなりません。

ラフの線の流れを尊重しながら、イメージに合った形の下書きを描いてみます。

ラフに合わせた下描き

すこし内側の線がずれることもありますが、ちょっとしたずれは気にせずに進めましょう。

ここで大事なのは、自分が一番大事にしたい線を優先することです。
イメージからずれた線が生まれてくるとどこか気持ち悪さにつながってしまいます。

ですので、今回は箱の形をしっかりと作りたいため、箱の輪郭を大事にしてパース定規を合わせていきました。

ペン入れをする

下書きができたら、ペン入れをしましょう。

パース定規は、別のレイヤーにもスナップするようになっているので、別のレイヤーを作り、下描きをなぞるようにペン入れをしていくと作業がしやすくなります。

立体感を作るためのペン入れのポイントは、凹凸を意識して線の強弱をつけることです。

出っ張っているところの線を細くするだけで立体感が変わって見えてきます。

パース定規が便利なので、それに頼って描いてしまうと、線の強弱をつけずに描いてしまい、立体感のない絵になってしまうことがあります。

パース定規は便利ではありますが、あくまで補助的な役割でしかないので、背景を描いていくときに頼りすぎないようにしていきましょう。

操作を動画で確認してみる

実際に動画で操作しながら解説してみていますので参考にしてみてください。

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