本当にこれでいいの?Webtoon業界

少し前にもWebtoonの記事を書きました。

その時には、これからの動きを楽しみにしていますと書きましたが、この数カ月の中で本当にこれでいいの?Webtoon業界と思い始めています。

Webtoonはどこに行く?

Webtoon作品を皆さんは読まれるでしょうか?
自分は割と勉強という意味で定期的にWebtoonを読むようにしています。

読んでいるサイトがピッコマさんということもあってか、基本的には韓国原作の作品をローカライズしているような作品が多いです。

もともと韓国発祥でもあるWebtoon なので、それは良いのですが、国内産の作品を見かけても、国内産の良さといえば、少し絵のクオリティを上げてみたといった感じのところくらいで、話としては微妙なものが多い。

なぜかというと、作品内容がテンプレートすぎる。
いや、これまでのWebtoon作品もややテンプレート展開(『弱者が急に力を手に入れて成り上がっていく』・『同一人物として生まれ変わり、死を回避するような展開』・『なろう系のような転生もの』)といったようなものが多い。

そのため、なろう系作品があふれるようになった状況と同じといえば同じなのかもしれないけど、作品に対して刺激を求めているものとしては、これまでのWebtoon作品の状況は胸やけ気味でした。

そこで日本の制作チームが作る作品というものを楽しみにしていたのですが、たいして変わらない印象。むしろ二番煎じ感もあるため、さらにWebtoonというものに期待できなくなってしまう。

Webtoonはどんなユーザーがターゲット?

Webtoonが人気という話は、漫画業界界隈では2年くらい前から話題に上がることがありました。大きなきっかけとしては、CLIP STUDIO PAINTにWebtoon用の原稿設定や機能が追加されたこともあるかと思います。

しかし、自分の周りでWebtoonを読んでいるといった話をあんまり聞くことはありません。

ただ、通勤時の電車などでたまにほかの人のスマホが見えてしまうことがあると、意外とピッコマさんのサイトを見ている方を見かけます。そういった点などからWebtoonは、電車などで暇つぶし的に読むような方に向けた市場となっていて、それに合わせた作品作りが必要になっていることが分かります。

マンガを好きな人、というよりは電車の中で特にすることがなくスマホで暇つぶし的に読むというようなものになっているため、複雑な作品よりは読み流しやすさが大事になります。

また、作品を提供し、どんどん読まれることで広告費などで稼ぐスタイルになってしまっているため、作品内容にこだわるよりも、提供スピードが大事になってしまっています。

様々な企業が参入し、チーム制作化が進み、作品を出して読まれれば勝ちみたいな状況のため、数の暴力になってしまっている。企業としては売上を立てていくために、売れている作品の売り方を模倣するというのは当然だと思う。

しかし、状況としては当たり前のことなんだけど、これだけWebtoonという市場が注目されているにもかかわらず、テンプレートのような作品だけ放出していくような結果となっているのは、漫画業界に携わってきた人間からすると残念としか思えない。

Webtoonに振り回される?

果たして漫画を描く人にとってWebtoon産業は幸せなのか…

自分で漫画を描くことを目指してきたというのは、自分の好きなことをしたい。といった目的があったはず。そのため、Webtoonのようなチームスタイルとなり、分業化されることで、各々の作業負担が減り、ある程度安定する収入が得られるというのは、心の平穏につながるところではあると思う。

しかし、人間欲深なもので、収入などが安定をすると自分のやりたいとこを求め、それがかなわないことで精神的なストレスを感じ始めてしまうもの。

それにより、結果的に精神的な苦痛からは免れなくなってしまうのではないかと思ってしまう。

アシスタントをしてきた人間であれば、多少はそういった環境になじめる方もいるかもしれないけど、漫画家を目指そうと志した人においては承認欲求も高く、個人が埋もれがちなWebtoonといった産業では心の欲求が満たされないような気がしている。

そのためなのか、噂程度に聞いた話では、キャラクター作画を担当していた方が、個人作品の連載などの話が来たことで作画担当の方が抜けてしまって、Webtoon作品が休載することになるといったことも少なくないとか。

稼ぐことと作る楽しさを両立させることはなかなか難しいところではあるけど、漫画家を目指してきた人にとって、Webtoonはお金は稼げたとしても心が満たされない産業になりつつあるのは確かなんじゃないだろうか…。

大きな資本が動く波に逆らえない個人では、波に乗ってお金を稼ぐことに力を注いでしまうのもいいかもしれないけど、作品を作る楽しさを求めるのであれば、チーム制作となっているWebtoonへ踏み入れるのはちょっと待ってみてもいいかもしれない。

個人的に思うこと

いろいろと述べてしまいましたが、個人的にはWebtoonは勉強し、なんなら描いてみたいとは思っている人種なのですが、ぶっちゃけ今の市場においてのWebtoonをやるくらいなら、普通の漫画を描きたいかなと思ってしまっています。

今後のWebtoon市場としては、制作者と読者が満足し納得できるような作品提供ができる市場になってくれることを期待します。

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