タコピーの原罪を読んでみて

まず、先に述べておきますが、ネタバレはしません。そして、肯定派ではありません。

皆様はタコピーの原罪を読まれましたでしょうか?
私は、タコピーの原罪と言う作品を話題になっているときには知りませんでした。

やや遅れ気味に同僚から話を聞いて読んでみた経緯だったため、世間で面白い・すごいことをやっているという、評価されているという話題があったうえで読むに至りました。

そのせいもあってか、読む際に若干身構えてしまっているのもありましたが、正直なところこの作品を『面白い』といった評価をしている人に、疑問を感じています。

面白いってなに?

まずは面白いという言葉の意味をおさらいしておきます。

goo辞書検索より引用(URL)

 興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。「何か―・いことはないか」「仕事が―・くなってきた」「この作品は―・くなかった」
 つい笑いたくなるさま。こっけいだ。「この漫画はなんとも―・い」「―・くもない冗談」
 心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。「夏休みを―・く過ごした」「無視されたようで―・くなかった」
 一風変わっている。普通と違っていてめずらしい。「―・い癖」「―・い声」
 (多く、打消しの語を伴って用いる)思ったとおりである。好ましい。「結果が―・くない」
 風流だ。趣が深い。

漫画作品を読んだ人が一言目で発する『面白い』といった感想を述べる場合、一般の人の感想では2や3に該当する方が多いのではないでしょうか?

1の意味合いで使う方は、どちらかと言うと編集者や漫画家自身といった、漫画を研究しようというきもちで作品に向き合っている方ではないでしょうか。

ですので、漫画を描く方から面白い試みをしている作品だという感想が出てくると、納得するようなところがありました。

しかし、広く世間的に面白いという評価を得たというのが読んでみて違和感を感じました。

漫画はエンターテイメント

漫画作品というものを個人的にはエンターテイメントとして考えています。

ですので、読んでもらう人にいかに楽しんでもらうかというのがテーマであり、難しいところでもあります。

その中で、作者のこだわり、伝えたいことなどの要素を詰め込んでいくことになります。

今回持ち上げたタコピーの原罪という作品について、私がこのような記事を書くほどの原動力になっているという点では、面白いと感じさえているのかもしれません。

しかし、この作品を読んだ多くの方がエンターテイメントとして面白いと感じていたというのであれば、世も末だなと感じています。

読者は内容の重さをどのように捉え、消化していったのでしょうか…?本当に楽しむ様に読んでいたのでしょうか?作者のカタルシスに共感したんでしょうか?

そうであるなら、なおさら現代の社会が、人というものがいかに殺伐としてきて自分勝手になってきているんだろうなと思ってしまったところでもあります。

なぜなら、この作品の登場人物がすべて自分勝手な主観でしか語っていないと感じたからです。

これ以上の話をするとネタバレせざるを得なくなるため、触れません。
気になった方はぜひ読んでみてほしいと思います。

漫画を作っていくうえで

お互い立場違えば見える世界も変わるといったものを描いた作品としては、非常に興味深いものではあったかもしれませんが、題材の重さや、最後の終わり方として私としては納得が出来るものではなかったので、やや胸糞作品になったというのが個人的な感想です。

どんな作品としても、終わりよければすべて良しというもので、読者に納得させることが出来る終わり方にできるかどうかというのは大きな課題なのではないでしょうか。

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